知っていますか?ミニバンとステーションワゴンの違い

クルマ知識

以前、「【クルマのプロがアドバイス】知っておきたい、社用車の選び方」というコラムで、「ミニバン」と「ステーションワゴン」という言葉が登場しました。いずれも昨今人気のボディタイプですが、違いがよくわからないという方もいるのではないでしょうか。そもそも「バン」と「ワゴン」の違いとはなんでしょう?今回は、少々ややこしいこれらのクルマの分類を、やさしく解きほぐしていきましょう。

そもそも「バン」と「ワゴン」の違いとは? ―1.「バン」は荷物を運ぶ商用車

「バン」も「ワゴン」もよく聞く言葉ですが、「四角っぽいクルマ」「たくさん荷物が運べそう」といったイメージは湧くものの、いざ両者の違いとなると明確に説明できない、という人は多いかもしれません。まず「バン」の意味からご説明しましょう。

「バン」とは、日本では、荷物を載せることを前提にした商用車のことです。トラックなどは荷台がむき出しですが、「バン」の場合、積荷スペースまですべてが車体で覆われているのが特徴です。商用車として登録する必要上、3列目の座席はないものがほとんどです。また商用車なので、1ナンバー(普通貨物自動車)もしくは4ナンバー(小型貨物車・軽貨物車)となります。重い荷物を積んでもクルマのバランスが保てるよう、固めのリアサスペンションが取り付けられており、乗り心地は多少犠牲にされています。

そもそも「バン」と「ワゴン」の違いとは? ―2.「ワゴン」は人を運ぶ乗用車

次いで「ワゴン」についてご説明します。「ワゴン」は、「バン」の荷室部分をシートにして、乗員数を増やしたクルマです。「バン」が荷物を運ぶ“商用車”なのに対して、「ワゴン」は人を運ぶ“乗用車”というわけです。ナンバープレートは3ナンバー(普通乗用車)もしくは5ナンバー(小型乗用自動車および小型乗合自動車)です。「バン」とは違って3列目シートが設置可能で、人を運ぶためにシートも厚めのものが装備され、サスペンションも乗り心地が優先されています。

ちなみに同じ車種でも「バン」と「ワゴン」の両方がラインナップされているクルマもあります。トヨタの「ハイエース」などが代表的ですね。

ハイエースバン

ハイエースバン

ハイエースワゴン

ハイエースワゴン

「ミニバン」も「ステーションワゴン」も、「ワゴン」の仲間!

ところで、ここまで読んできて「おかしいな?」と思った方もいるかもしれません。「バン」は荷物用で、商用車だって?「ミニバン」は家族向けだし、乗用車だと思っていたんだけど?

ミニバン VOXY

ミニバン VOXY

その疑問は正しく、実は「ミニバン」は、名前に反して「バン」ではありません。「ワゴン」の仲間なのです(「ややこしいポイントその1」です)。「ステーションワゴン」の方は、その名の通り、「ワゴン」の仲間で、ただ単に「ワゴン」と呼ばれる場合もあります。さて、いよいよここで「ミニバン」と「ステーションワゴン」の説明に進みたいのですが、その前に、説明の準備のために「ボックス」について理解をしておきましょう。

「ボックス」がわかれば「ミニバン」と「ステーションワゴン」がわかる!

クルマは、エンジンの位置やクルマのかたちによって、1BOX(ワンボックス)や2BOX(ツーボックス)、また1.5BOX(いってんごボックス。ところでなぜ、1.5だけ日本語読みなのでしょうか…)等の種類に分類されます。それぞれの違いは、下図のようになっています。

1BOX(ワンボックス)

エンジンと乗車・積荷スペースが一体になっており、ボンネットがない

1.5BOX(いってんごボックス)

ワンボックスの見た目に近いが、短いボンネットがあり、エンジンと乗車・積荷スペースが分かれている

1.5BOX(いってんごボックス)

2BOX(ツーボックス)

ボンネットがあり、エンジンと乗車・積荷スペースに分かれている

2BOX(ツーボックス)

これで解決!「ミニバン」と「ステーションワゴン」の違い

ここまでの内容を踏まえて、ようやく「ミニバン」と「ステーションワゴン」の違いを明らかにすることができます。さっそく説明していきましょう。

「ミニバン」とは、「1BOX」「1.5BOX」ないしは「2BOX」で、背面ドアぎりぎりまでシートが設置された(一般的には3列シートの)乗用車のことです。車高が高い点も特徴です。

「ステーションワゴン」とは、「2BOX」で、車高が高くない乗用車のことです(車高の高いステーションワゴンは特別に「トールワゴン」と呼ばれます)。

「ミニバン」と「ステーションワゴン」を代表する人気車種

ここで、イメージが湧きやすいように、代表的なミニバンとステーションワゴンを写真でご紹介します。いずれもトヨタレンタリース京都でカーリースを行っている、トヨタの人気車種です。

・写真で見るミニバン1. アルファード

新時代の高級車として2002年に開発されたクルマ。2023年には最新型が登場し、あたかも動く応接室のような豪華な仕様に、さらに磨きがかけられました。ご覧のように、短いボンネットがある1.5BOXです。サイズ的には、俗に言う「ラージミニバン」という、最も大きな分類に属しています。

アルファード
アルファード

アルファード

・写真で見るミニバン2. ヴォクシー

こちらは「ミドルミニバン」のクルマ。ガソリン車とハイブリッド車があります。兄弟車種に「ノア」が存在します。

VOXY

VOXY

ノア

ノア

・写真で見るミニバン3. シエンタ

「コンパクトミニバン」に属するクルマ。こちらもガソリン車とハイブリッド車があります。全長4,260mmのコンパクトなボディに、無駄なく3列シートがレイアウトされています。

シエンタ
シエンタ

シエンタ

・写真で見るステーションワゴン1. カローラ フィールダー

ご覧のように、2BOXかつ車高が高くない乗用車という、ステーションワゴンの特徴を備えているのが見て取れると思います。カローラ フィールダーは、荷物も積める、人も運べる、そして価格も安めという点で、トヨタのステーションワゴンの中でも根強い人気を誇っています。

カローラ フィールダー
カローラ フィールダー

カローラ フィールダー

・写真で見るステーションワゴン2. カローラ ツーリング

カローラ フィールダーより価格は少し高くなりますが、高いデザイン性と豪華な内装が特徴のカローラ ツーリング。例えば社用車として運用するなら、お客様を乗せて、お客様の荷物をお運びする、といったシチュエーションにもぴったりです。

カローラツーリング
カローラ ツーリング
カローラ ツーリング
カローラツーリング

カローラツーリング

ところで、ちっとも小さくない「ミニバン」があるんだけど…

と思った方もいるかもしれません。例えば上に挙げたトヨタの「アルファード」は堂々たるボディサイズ、とても「ミニ」とは呼べませんよね。なぜこのようなクルマまで「ミニバン」と呼ばれているのか。それは「ミニバン」という言葉の由来に関係します(「ここから、「ややこしいポイントその2」です)。

そもそも「バン」や「ミニバン」という言葉は、アメリカ由来です。「バン」の語源は、キャンピングトレーラーを牽引する「キャラバン」のこと。そして「キャラバン」はどれも、全長5m以上、全幅2m以上の威容を誇る、巨大なものでした(「フルサイズバン」と呼ばれます)。

キャンピングトレーラー

キャンピングトレーラー

そんな中で1980年代に登場した「シボレー・アストロ」というクルマがブームとなり、フルサイズバンよりも小型だったことから「ミニバン」と呼ばれ始めた…というのが「ミニバン事始め」です。小型とはいえ、シボレー・アストロも日本に持ってくれば巨大なクルマであることには変わりないのですが…。

ともあれ、そんな理由もあって「比較的小さいキャラバンをミニバンと呼ぶ」ことがアメリカにおいて定着しました。そして日本人的には十分に大きなクルマであっても、アメリカ同様に「ミニバン」と呼ぶことが、日本においても定着してしまった、というわけなのです。

「ステーションワゴン」の由来

ここで、せっかくですから「ステーションワゴン」の由来についても押さえておきましょう。こちらはもともと「セダン」から派生したものです。セダンはエンジン・乗車・積荷スペースの3つに分割される3BOXですが、このうち2BOX目の乗車スペースにあるルーフ部分を、3BOX目の積荷スペースであるトランク上方まで伸ばしていって2BOX状に一体化したものが「ステーションワゴン」なのです。したがって、セダン譲りの心地よい乗車感覚、高い運動性能を持ちながらも、後席のシートアレンジで大型の荷物を詰め込むこともできるといった、使い勝手の良いクルマとなっているわけです。

カローラ・フィールダー荷室

いかがでしたでしょうか。

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