【いまさら聞けない】EV、BEV、HEV(HV)、PHEV(PHV)、FCEV(FCV)とは?【電気自動車】

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一言で「エコカー」「電気自動車」といっても、上のタイトルにずらり並んでいるように「EV」「BEV」「HV」「HEV」「PHV」「PHEV」「FCV」「FCEV」といったさまざまな言葉が使われており、意味や違いがよくわからない、という人もいるのではないでしょうか。本コラムでは、これらの言葉について、わかりやすく簡潔に説明していきます。

もっともEVらしいEV、「BEV」

コラムタイトルと順番は前後しますが、BEVから説明していきましょう。BEVは「Battery Electric Vehicle」の略で、文字通り、バッテリーの電気だけを使ってモーターで走る、「電気自動車」と呼ばれるクルマのことです。エンジンはなく、当然ガソリンも使いません。そのため、走行中に二酸化炭素を排出しない環境に優しいクルマとして、普及が世界的に進んでいます。

この説明を読んでお分かりの通り、BEVは、より一般的にはEVと呼ばれることも多いクルマのことです。そのため少々まぎらわしい部分があるのですが、EVの方が、より広い意味合いで使われることが多いのがポイントです。具体的にはEVは、BEVに加えて、後述するHEV(HV)、PHEV(PHV)、FCEV(FCV)も含んだ言葉として使われることがあります。

ちなみに、BEVと、後述のHEV(HV)やPHEV(PHV)、FCEV(FCV)との違いは、前者がバッテリーの電気のみを用いてモーターで走るのに対し、後者はこれから述べるように、同じ「電気を動力に変換して走るクルマ」でありながら、バッテリーに貯めた電気以外の力も用いて走ることができるという点にあります。

BEV
トヨタの「bZ4X」
車載バッテリー(写真はイメージです)

トヨタ「bZ4X」と車載バッテリー(写真はイメージです)

エンジンとモーターを組み合わせて走る「HEV(HV)」

HEV、HVはそれぞれ「Hybrid Electric Vehicle」「Hybrid Vehicle」の略で、ハイブリッド自動車のことです。ハイブリッドとは「異なるものを組み合わせる」という意味で、この場合はエンジンとモーターという2つの動力を組み合わせることを意味しており、これらを場合に応じて効率的に使い分けたり、あるいは組み合わせたりして走ります。

HEV(HV)は、その仕組みによって「シリーズ方式」「パラレル方式」「スプリット(シリーズ・パラレル)方式」の3種類に分類できます。

HEV
トヨタの「プリウス」

トヨタ「プリウス」

HEV(HV)の種類1. シリーズ方式

シリーズ方式は、エンジンで発電した電力をバッテリーに貯めて、その電力でモーターを駆動させて走るシステムです。シリーズ方式において、エンジンの用途はバッテリーへの蓄電のみです。実際にクルマを走行させるのはモーターなので、BEVと同じ、伸びの良い加速感や走行感覚が味わえます。また、充電に必要な時にだけエンジンを使うので低燃費である点も特徴です。

HEV(HV)の種類2. パラレル方式

パラレル方式は、エンジン駆動が主体で、モーターはエンジンの補助に徹する方式です。エンジンに負荷がかかる、発進・加速・低速時などの領域でモーターを駆動させることで、燃料の消費を抑えることができます。システム全体の重量を軽く仕上げることができ、コストも低く抑えられるのが特徴です。

HEV(HV)の種類3. スプリット(シリーズ・パラレル)方式

世界初の量産型ハイブリッド車であるトヨタの「プリウス」に採用されて以来、現在までハイブリッドシステムの主流となっているのが、このスプリット方式です。走行状態によってエンジンとモーターの両者を適切に使い分けることから、シリーズ・パラレル方式とも呼ばれています。

発進・低速時にはモーターのみを使って走行、高負荷・高速走行時にはエンジン主体、急加速時にはエンジン+モーターといったように、エンジンとモーターを適切に使い分けて走ります。

外部から充電できるハイブリッド車、「PHEV(PHV)」

PHEV、PHVはそれぞれ、「Plug-in Hybrid Electric Vehicle」「Plug-in Hybrid Vehicle」の略称です。両者はメーカーによる呼び方の違いで、いずれも同じHEVの一種である、プラグインハイブリッド車のことを指しています。PHEV(PHV)の特徴は、自宅や充電スタンドといった、外部電源からの充電が可能なハイブリッド車であること。通常のHEVのモーターを動かすバッテリーは、クルマの減速時のエネルギーを利用して充電する仕組みとなっており、外部から充電することはできません。しかしPHEV(PHV)では、車体に設けられたコンセントに外部からプラグを挿して(Plug-in)、充電することができる点が大きく異なるのです。

PHEVでは、HEVとBEV、双方のメリットを活かしたような走りができます。バッテリーに電力が残っている時は、モーターだけで駆動するBEVとして走り、バッテリーがなくなったらエンジン併用のHEVとして走行できます。満充電にすれば、充電のためにエンジンを動かす必要がなくなり、電気で走る時間が延びるので、ガソリンの消費を抑えられます。

PHEV
トヨタ「プリウス(PHEVモデル)」
プリウスPHEVハイブリッドシステム

トヨタ「プリウス(PHEVモデル)」とハイブリッドシステム

究極のエコカーとも呼ばれる「FCEV(FCV)」

FCEV、FCVはそれぞれ、「Fuel Cell Electric Vehicle」「Fuel Cell Vehicle」の略称で、いずれも「燃料電池自動車」を意味します。燃料電池は、電池という名前こそ付いていますが実際は「発電装置」で、そこで水素と酸素の化学反応が行われ、発生した電気エネルギーを使ってモーターを回して走ります。BEVが、発電所が発電した電力をバッテリーに蓄えて走行するのに対し、FCEV(FCV)は、自車内で発電を行なって走行するのが大きな違いです。

走行時に発生するのは水蒸気のみ、排気ガスはゼロと非常にクリーンなほか、エネルギー効率が高い(ガソリン車の15~20%に対して30%)のも注目されます。給油の代わりに、FCEVは水素ステーションで燃料となる水素を補給しますが、水素補給に給油程度の時間しかかからないこと、航続距離が長いことも特徴です。

普及における課題としては、車両価格が高いことと、水素を補給するための水素ステーションの数がまだ少ないことが挙げられます。

FCEV
トヨタの「クラウン セダンFCEV」
車載水素タンク

トヨタ「クラウン セダンFCEV」と車載水素タンク

以上の電動車両、すべてを指すのが「EV」

EVは「Electric Vehicle」の略で、いわゆる電気自動車のことです。冒頭で見たように、狭い意味でのEVはBEV(バッテリーの電気だけを使ってモーターで走るクルマ)のこと。しかし一般的には、EVはより広い意味で用いられます。ここまで述べてきたさまざまなクルマは、「電気を動力に変換して走るクルマ」であり、その共通点から、すべてEVと呼ばれているのです。

bz4xを充電

いかがでしたでしょうか。

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