社用車をEV化したい法人の皆さまに、知ってほしいこと

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世界的な脱炭素の動きの中、クルマのEV(電気自動車)化が加速しています。
社用車の世界においてもEVが注目を集め、特に停電時などの緊急時、クルマ自体から給電ができるとあって、福祉・医療業界を中心に導入が進んでいます。そのような情勢の中で、「社用車をEV化したい」と考えた時に、まず念頭に置くべき点を簡潔にまとめました。

●社用車をEV化する際の前提

前提1. 社用車をEV化するには自社に給電設備が必要

EVを導入する場合には、自社の駐車場に給電設備を設置する必要があります。この段階で初期投資が必要となるわけですが、補助金制度を受けられることがあるので、導入・維持費用を削減できる場合もあります。また、自家消費型太陽光発電と組み合わせることで電気代を削減するという考え方もあります。

前提2. 社用車をEV化するには「基礎充電」が運用の基本

さて、電気自動車の充電方法には、以下の分類があります。

・基礎充電:車両の保管場所(駐車場等)での充電
・経路充電:サービスエリアやスタンド等での充電
・目的地充電:宿泊施設、商業施設等、目的地での充電

ポイントは電気自動車の場合、「基礎充電」を基本と考えるべきということです。所有する敷地内で充電できることは、ガソリン車とEVの大きな違いです。自社設備にて、車両の待機時間に充電を行えば、ガソリンスタンドで給油していた時間を大幅に削減できることになります。また、給油経費精算の作業を削減し、燃料消費の把握も一元的に行うことができます。逆に、出先で充電が必要ということになると、例えば「サービスステーションで30分の充電待ち」など、時間の大幅なロスになります。

前提3. 社用車をEV化するには航続距離の考慮が必要

以上のことから、社用車のEV化に当たっては、導入検討車種の満充電時の航続距離を確認し、自社の社用車の営業外回り時の走行距離や、サービスステーションの位置等を検討して、自社のニーズを満たすかどうかを確認することが必要です。現在の電気自動車の航続距離は、概ね200~600kmです。ガソリン車の中には1回の給油で1,000km以上走るものもありますから、航続距離にはまだまだ注意が必要といえます。

●社用車をEV化するメリット

メリット1. 社用車をEV化すると、脱炭素化に貢献できる

EVは、ガソリン車やディーゼル車と異なり、化石燃料を燃やさないので、走行時にCO2(二酸化炭素)を一切排出しません。脱炭素化というこの目的のためには、EVのみならず、HV(ハイブリッド車)やPHV(プラグインハイブリッド車)の選択も視野に入れると、導入が進めやすいでしょう。

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メリット2. 社用車をEV化すると、導入後のエネルギーコストが下がる

ガソリン車と比較した際の走行コストは、EVの方が低廉に抑えられます。

メリット3. 社用車をEV化すると、メンテナンスコストが下がる

ガソリン車は、エンジンだけでもオイルやフィルター等の消耗品が多く、定期的に交換費用がかかります。EVのモーターにはそういった必要がなく、潤滑油の交換頻度も多くはありません。

メリット4. 社用車をEV化すると、いざという時の電源となる

EVによっては、停電等いざという時に、非常用電源として機能するタイプのものがあります。

メリット5. 社用車をEV化すると、CSRやSDGsにつながる

社用車のEV化は脱炭素経営の実践です。こうした活動の実績は、消費者や投資家、取引先といったステークホルダーからの、評価や信頼性の向上につながります。

メリット6. 社用車をEV化すると、減税制度を利用できる

EVの導入においては、減税制度を活用できます。対象となるのは「自動車税」「自動車重量税」「環境性能割」です。EVは導入時のイニシャルコストが高くつくものの、各種補助金や税制優遇なども考慮するならば、運用次第では数年でトータルコストが逆転する場合もあるでしょう。

●社用車をEV化する際のデメリット

デメリット1. 社用車をEV化する際の初期コスト

既述のように自社駐車場に給電設備を設置する必要があります。例えば50kW以上の急速充電器の場合、そのコストは1台につき500万円~となっています。ただし急速充電でないタイプであればもっと安く導入できますから、その辺りは自社の予算と運用計画次第といえるでしょう。

デメリット2. 社用車をEV化する際の車両本体価格

国産のEVを新車で導入すると、購入コストは安いとはいえません。しかし「クリーンエネルギー自動車導入事業補助金(CEV補助金)」を活用できるため(詳しくは一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページで確認できます)実際よりも安く導入することができます。

デメリット3. 社用車をEV化する際の車種選択の乏しさ

EVは登場してから歴史が浅いため、ガソリン車に比べて車種も少なく、また(社用車にとっては重要な点ですが)多量の積載物や大人数の運搬に特化した車種は、まだ登場していません。

デメリット4. 社用車をEV化する際の充電箇所の少なさ

自社駐車場内に充電設備を設置したとしても、出先での充電箇所が限られるのは、現状での不安要素といえます。現在、都市圏ではガソリンスタンドに併設されたり、『イオン』等商業施設の駐車場、あるいはカーディーラーなどに充電設備が増加してきてはいますが、まだまだ十分な数とはいえません。

いかがでしたでしょうか。社用車の一部をEVに置き換えるといった方法からでも、EV化は始められます。購入という選択肢もあれば、カーリースという選択肢もあるでしょう。社用車のEV化にご興味をお持ちのお客様は、ぜひ、トヨタレンタリース京都にお気軽にご相談ください。

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