社用車にEVを組み込む「最初の1台」の考え方――失敗しないEV導入の実践的アプローチ

車両管理

EVを社用車として初めて導入する際、企業に問われるのは、いったいどんなことでしょうか。さまざまな答えがありえますが、もっとも重要な答えの1つは「その車両を、業務の中で無理なく回せる設計になっているかどうか」であるといえるでしょう。
EVの導入は「様子見に、まずは1台から」と考える方も多いことと思います。その場合、成功も失敗もその最初の1台次第、ということになります。その際、失敗に終わりがちな例を挙げれば、以下のようになるでしょう。

ガソリン車との特性の違いを活かしていない
用途を決めないままに導入する
評価基準が曖昧なまま使い始める

このようなテスト導入の結果として、「EVは使いにくい」「ウチには合わない」という印象だけが残ってしまうケースは、少なくありません。ではいったい、どうするべきなのか?本コラムでは、社用車のEV化を前向きに進めるために、最初の1台をいかに位置づけ、何を検証していくべきなのかを整理します。
EVは単に「動力源が異なるクルマ」ではありません。意図的・戦略的に組み込めば、社用車管理を整理し、社用車の「業務インフラとしての完成度」を一段引き上げる存在となるのです。
本コラムでは、EV導入がもたらす、社用車管理面での実務的メリットを解説していきます。

トヨタのEV bZ4X
トヨタのEV bZ4X

トヨタのEV bZ4X

答えは実は、そのいずれでもありません。最初の1台の役割は、「EVが無理なく回る業務を見つけること」にあります。

この視点を外すと、最初の1台が過剰な期待や不適切な用途を背負い、評価を誤る原因となってしまうのです。

では、最初の1台に向いている業務とはどのようなものでしょうか?

ev

条件① 業務内容が定型的である

決まったルート、決まった移動距離、突発対応が少ない。こうした業務は、EVとの相性が良好です。EVの特性を「制約」としてではなく「前提条件」として扱うことができ、「EVを社用車管理するとはどのようなことか」の勘所を掴むことができるでしょう。

条件② 1日の走行距離が把握できている

最初の1台を導入した際には、「何となく使う」ことは避けるべきです。「日常の走行距離が分かっている」「想定外の長距離が少ない」といった条件が揃っている用途に用いるならば、EVの運用はシンプルなものになるでしょう。

条件③ 使用ルールを共有しやすい

「使用者が固定(または限定)されている」「管理部門との距離が近い」ことも重要です。最初の1台は、管理ルールを試す場でもあります。ですから多人数・不特定多数での利用は、EVのクルマとしての特性を知ることには役立っても、社用車管理の観点からは、得るものが少ないでしょう。

×成果を急ぐ

  • 燃料費削減額をすぐに求めようとする
  • 全社的な成果を期待する

→ 最初の1台は、管理と運用を整えるフェーズです。

×EVの弱点を探そうとする

  • 不便、不都合な点ばかりを拾う
  • 従来車との単純比較をする

→ 最初に見るべきは、「どの業務なら無理なく回るか」です。

×成功・失敗を短期間で判断する

EV運用は、季節・業務量・利用者によって印象が変わります。一定期間使って初めて見えることが多いという点を、最初から織り込んでおく必要があるでしょう。

最初のEV導入で確認すべきなのは、「EVがクルマとして優れているかどうか」にはとどまりません。確認すべき評価軸は、次のような点です。

  • 管理ルールは機能しているか
  • 自社業務にフィットしているか
  • 使用者に過度な負担はないか
  • 他の業務にも横展開できそうか
  • 組織として扱えるか

これらが確認できれば、「EV導入を次の段階に進めよう」ということを、担当者レベルでも、経営レベルでも、客観的に判断することができるでしょう。

BCP

さらには、EV導入時に考えるべきポイントがもう1つあります。それはEVが、BCP(Business Continuity Plan/企業の事業継続計画)の手段ともなる、という点です。

例えばもしも予期せぬ停電が発生しても、EVがあれば、PC・通信機器・照明など、最低限の業務継続に必要な電力を供給することができるのです。こうしたEVの特性については、コラム「企業のBCP強化対策に!EVを社用車として導入する」にて詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

最初のEVは、(当然ながら)社用車EV化のゴールではありません。それは、

  • 自社のどの業務に向くのか
  • どのような管理レベルが必要か
  • どこまで無理なく運用できるか

を見極めるための、基準づくりです。最初の1台の管理をていねいに設計することができれば、EV導入は「試行」の段階を超え、「戦略」の段階へと進むことでしょう。

もし御社がEV導入をご検討しているようであれば、どのようなフェーズであれ、ぜひ、トヨタレンタリース京都にご相談ください。私たちが、最初の一台から、複数台の戦略的導入までを、御社のビジネスに寄り添いながら支援いたします。


いかがでしたでしょうか。

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クルマに関するお困りごとやご相談は、トヨタレンタリース京都に、どうぞお気軽にお寄せください。

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