社用車をめぐる事故や不祥事がニュースになる度に、企業のコンプライアンス意識が問われる、そんな時代になってきました。
社用車管理においては、単に車両を揃えて運用・管理するだけではなく、安全運転の徹底と法令遵守、そして企業の社会的責任(CSR)を果たしていくことが重要です。もし社員が事故を起こした場合には、運転者個人だけでなく、車両を管理する企業にも責任が及ぶ可能性があるということを、よく踏まえておく必要があるでしょう。

社用車管理にコンプライアンスが必要な理由

・交通事故リスクと企業責任
社用車による事故は、業務時間中に起これば、企業側に「労働災害」や「使用者責任」が問われます。運転者が飲酒や居眠り運転で事故を起こせば、企業の管理体制そのものが批判されることも少なくありません。
・法令遵守と企業イメージ
道路交通法の改正やアルコール検知器の義務化など、社用車を取り巻く法令は年々強化されています。違反や不備が発覚すると、罰則だけでなく、取引先や地域社会からの信用低下に直結してしまいます。
安全・コンプライアンス対応チェックリスト

☑️チェック1. 安全運転管理者の専任と業務の実施
安全運転管理者は、1事業所あたりに社用車が5台以上(あるいは乗車定員11人以上の社用車が1台以上)あれば、必ず選任の必要があります。御社はいかがですか?
また、安全運転管理者の業務は以下のようになっています。9つの業務を常日頃から実施できているか、必ずチェックしましょう。
☑チェック1-1. 運転者の状況把握
☑チェック1-2. 安全運転確保のための運行計画の策定
☑チェック1-3. 長距離、夜間運転時の交代要員の配置
☑チェック1-4. 異常気象時の安全確保の措置
☑チェック1-5. 点呼等による過労、病気その他正常な運転をすることができないおそれの有無の確認と必要な指示
☑チェック1-6. 運転者の酒気帯びの有無の確認(目視等で確認するほか、アルコール検知気を用いた確認を実施)
☑チェック1-7. 酒気帯びの有無の確認内容の記録・保存、アルコール検知器の常時有効保持
☑チェック1-8.運転日誌の備え付けと記録
☑チェック1-9.運転手に対する安全運転指導
※チェック1-1.〜1-9.出典:警視庁ウェブサイト
☑️チェック2. 運行記録簿・ドライバーの管理体制の構築

どの社員が、いつ、どの車両を利用したかを把握する「運行記録簿」の管理は必須ですが、御社ではどのような管理体制を構築されているでしょうか。
最近では紙ではなく、アプリやテレマティクス機器で自動記録できる仕組みも普及しています。こうしたツールを導入することで、管理者の負担は軽減され、記録の正確性も保たれることでしょう。
テレマティクス機器による運行管理については、こちらのコラム も、ぜひ併せてご覧ください。
☑️チェック3. 車両点検・整備記録の保持

社用車の整備不良は、万一事故が起きた際に、企業責任を大きくする要因です。
- 定期点検記録簿をしっかり保存しているか
- オイル交換やタイヤ交換の時期を可視化しているか
こうした工夫で、事故リスクを大幅に下げられます。社用車をリースでご利用の場合、メンテナンスリースであれば、これらのチェックの抜け漏れを防止することができるでしょう。
☑️チェック4. 社員教育(安全運転・事故対応マニュアル)の実施

運転者への教育は、コンプライアンス対応の中でも非常に重要なポイントです。
- 安全運転講習の実施(新人・中途・定期)
- 事故が発生した際の、初動対応マニュアルの周知
- 「ながら運転禁止」など、具体的な行動ルールの浸透
こういった教育を継続することで、社員の意識を高め、事故を未然に防ぐ効果が期待できます。
違反・事故が企業に与える影響
・罰則・賠償責任
コンプライアンス違反は法的罰則だけでなく、多額の損害賠償や保険料増額につながります。これらが思わぬ原因になって経営を圧迫することは言うまでもありません。
・信頼低下と企業ブランドへの打撃
「安全管理が不十分な会社」とのレッテルが貼られると、取引先や顧客からの信頼が揺らぎます。特に地域社会との関係が密な中小企業にとっては、信用失墜のダメージは計り知れません。

まとめ:安全と信頼を守るための社用車管理
社用車管理におけるコンプライアンス対応は、単なる「義務」ではなく、企業の信頼と持続的成長を支える基盤です。
- 安全運転管理者の選任と業務の実施
- 運行記録簿・ドライバーの管理体制の構築
- 車両点検・整備記録の保持
- 社員教育(安全運転・事故対応マニュアル)の実施
以上のリストをチェックし、一つひとつ実践することで、事故リスクを減らし、企業ブランドを守ることができます。
もし「管理が煩雑で対応しきれない」と感じる場合は、メンテナンスリースやクラウド型の運行管理サービスを導入等、プロフェッショナルや先進テクノロジーの力を借りるのも、有効な手段です。
まず何よりも「安全第一・コンプライアンス重視」の姿勢を示すことが、これからの企業に求められる、社用車管理の在り方といえるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
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