【2026年版】EV対ガソリン車、営業車として本当にお得なのは?

SDGs

EV(Electric Vehicle:電気自動車)の普及が急速に進む中、企業の営業車や社用車の選び方にも大きな変化が生まれています。国内メーカーのEVラインナップが拡大し、価格帯や性能がビジネス用途に合うよう整ってきたことで、EVは「特別な選択肢」から「現実的な選択肢」へと位置づけが変わりつつあります。

また、世界的な脱炭素化の流れを背景に、日本でも充電インフラの整備が進み、補助金制度も継続されています。企業にとってEVの導入は、環境配慮だけでなく、コスト削減や企業価値向上の面でも注目される選択肢になっています。

しかし、ガソリン車が持つ安心感やインフラの充実は、依然として強力。用途によってはガソリン車が最適な場面も、もちろん数多くあります。そこで本コラムでは、営業車としてEVとガソリン車を比較する際に重要となる6つのポイントから、最新の状況を整理していきます。

トヨタ bz4x

Round 1. 「車両本体価格」:ガソリン車が優勢ながら、EVの価格差が縮小

営業車を導入する際、最初に気になる点の1つが車両本体価格(リースの場合はその月額)です。
2026年現在、一般的にガソリン車の方が価格を抑えやすい状況は続いています。初期費用を重視する企業では、導入しやすさという点で依然としてガソリン車に魅力があるでしょう。

一方でEVは、かつてに比べて選択肢が増え、価格帯も広がっています。特に近年は、運用しやすい性能と扱いやすい価格を両立した魅力的な国産EVが登場し、企業が導入するハードルは確実に下がっています。

加えて、「クリーンエネルギー自動車導入補助金(CEV補助金)」などの支援制度を利用すれば、実質的なコストを抑えた導入も可能です。補助金と合わせて検討すれば、EVの初期費用も、十分にビジネスの選択肢に入ってきます。

2025年10月に登場した、トヨタの新しいbZ4X は、エントリーグレードの価格が消費税込み480万円。補助金と組み合わせれば、実質300万円台で手に入るようになりました。

トヨタ bz4x

Round 2. 「インフラ整備度」:ガソリン車に軍配、しかしEVも改善が進む

充電インフラはEV導入の成否を左右する重要なポイントです。
全国の充電スポットは年々増加しており、都市部や主要道路での充電環境は確実に改善しています。また、法人向けに「基礎充電」(車両保管場所での夜間充電)を導入しやすくする支援策も拡充し、EVの利便性は高まりつつあります。

とはいえ、全国的な使いやすさでは、ガソリンスタンドの網羅性が依然として圧倒的。広い範囲を営業エリアとする企業にとっては、給油のしやすさと確実性は大きなメリットです。

一方で、EVには次のような利点もあります。

●夜間に社内で充電できる

●給油待ちの時間が不要

●電気料金が比較的安定している

インフラ比較だけではガソリン車が優勢ですが、運用の効率性という観点では、EVが評価されるケースも増えているといえるでしょう。

Round 3. 「航続距離」:EVの性能向上により、十分な実務レベルに

1回の給油で長距離を走れるというガソリン車のメリットは、営業車における大きな魅力です。地方営業や長距離移動が多い業務では、依然としてガソリン車が高い信頼性を持っています。

一方、EVの航続距離も進化を続けています。現在の国産EVの多くは300〜600km程度の航続距離を確保し、都市部や中距離中心の営業では十分に実用的です。

トヨタ bz4x
営業車の利用実態を見ると、1日の走行距離が200km未満という企業も多く、こうした範囲であればEVの航続距離は全く問題になりません。
また、広域の担当エリアを持つ営業や、急な遠方移動が発生しやすい業務においても対応可能な、長い航続距離を持ったEVの登場も大きなトピックです。中でもトヨタの新しいbZ4Xは、最大746km(WLTCモード、ZグレードFWD)という航続距離を実現しています。

Round 4. 「走行コスト・メンテナンス」:経費を抑えられるEVのメリット

EVは、走行コストとメンテナンス費が低く抑えられる点で大きな魅力を持ちます。EVは構造がシンプルであり、かつ、

●エンジンオイルの交換が不要

●消耗部品が少ない

●ブレーキパッドの摩耗が遅い

など、ガソリン車では必要なメンテナンスが不要になるケースがあります。

また、電気料金はガソリン価格よりも変動幅が小さいため、燃料費を安定的に管理できる点も企業にとって重要でしょう。

走行距離が多い営業車ほどこの恩恵は大きくなるので、年間数万キロ走る企業にとっては、運用コストの面でEVが有力な選択肢となることでしょう。

Round 5. 「環境貢献」:環境配慮型の営業車としてEVが優勢


EVは走行時にCO₂を排出しないため、環境貢献度の高さについては言うまでもありません。企業のSDGs対応や脱炭素経営を進めるうえで、EVの導入は、もっとも分かりやすい取り組みの一つです。

営業車は社外の多くの人の目に触れる存在であり、EVの導入は企業の姿勢を示す有効な手段になりえます。ESG評価や取引先からの評価にも影響を与える可能性があるため、企業価値向上の観点からもEVが有利でしょう。

Round 6. 「将来性」:いよいよ高まる、EVの存在感

世界的な環境規制の強化により、今後も自動車産業全体が電動化の方向へ進むことが想定されます。国内メーカーもEVの投入やサポート施策を拡充しており、企業がEVを導入しやすい環境が整いつつあります。

将来の車両調達や車両管理を見据えると、EVを組み込んだ運用を計画しておくことは、大きなリスク回避にもなります。「社用車の一部からEV化を進める」という段階的な導入は、今後ますます一般的な選択肢となるでしょう。

「どちらが優れているか」ではなく「用途で選ぶ」時代へ

EVとガソリン車は、それぞれに明確な強みを持ちます。営業車選びにおいて重要なのは、企業ごと、利用シーンごとの最適解を選ぶことです。例えば以下のような目安が参考になるでしょう。

●初期費用を抑えたい → ガソリン車

●都市部・中距離中心の営業 → EVが有力

●維持費を下げたい → EVが優勢

●1回ごとの長距離移動が多い → ガソリン車が安心

●環境配慮・企業価値向上を重視 → EVが適する

●将来の車両計画を見据えたい → EVを組み込む運用が現実的

「すべてをEVに替える」必要はなく、一部の車両からEV化を進める段階的な導入は、多くの企業において、最適な選択肢となることでしょう。すなわち、

●一部車両だけEVに切り替える

●補助金を活用して導入コストを抑える

●環境配慮・企業価値向上を重視 → EVが適する

●法人リースで柔軟にスタート

●ルート固定の車両からEV化する

以上のような導入方法が考えられます。こうした方法を組み合わせれば、企業規模にかかわらずEV化を始めることができるでしょう。


いかがでしたでしょうか。

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購入という選択肢もあれば、カーリースという選択肢もあるでしょう。

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