EV(Electric Vehicle、電気自動車)の発展と普及が進みつつある昨今。同じように急速に私たちにとって身近になってきた考え方である「SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)」の一環として、企業の社用車にEVが採用されるといったケースも珍しくなくなってきています。
それではここで、純粋に企業の「営業車」としての用途やメリットを考えてみましょう。2025年段階においてお得といえるのは、EVなのでしょうか、それともガソリン車なのでしょうか? あるいはまた、将来性といった観点から見てみた場合はどうでしょう?
このコラムでは、6つのポイントに分けて、様々な観点から多角的に、EV対ガソリン車の比較を行ってみました。
EV対ガソリン車 Round 1. 「車両本体価格」なら、ガソリン車が安い!
国産のEVを新車で導入するといったケースを考えてみると、ガソリン車と比べて、購入コストはまだ安いとはいえないのが実情です。しかし、即断するのは早計です。現在、EV普及を後押しする国の施策が進められており、「クリーンエネルギー自動車導入事業補助金(CEV補助金)」を活用できるため(詳しくは一般社団法人次世代自動車振興センターのホームページで確認できます)、実際の価格よりも、EVは安く導入することができるのです。EVにご興味・ご関心をお持ちなら、調べてみる価値のある制度といえるでしょう。
とはいえ、単純に車両本体価格で比べるなら、2025年段階では、ガソリン車の方がお得であるということがいえます。
EV対ガソリン車Round 2. 「インフラの整備度合い」なら、ガソリン車に軍配!
EVを運転する場合には充電が必須となりますが、そのインフラとなる、充電器スタンドやステーションの普及率はまだ低いのが現状です。企業が営業車としてEVを導入するなら、自社に充電器スタンドを設けることも考える必要があり、その場合には初期投資がかかることになります。
その代わりEVにおいては「基礎充電(車両の保管場所での充電:この場合は自社で待機中の夜間等に充電をしておくこと)」が可能で、ガソリン車には必要であった、ガソリンスタンドでの給油時間を大幅に削減できることが特徴です。
一方でガソリン車の場合はどうでしょうか? 普通に運転していて給油所に困ることはあまりありませんが、当然ながら自社で給油はできない点が、EVとは異なります。
このように両者に得意不得意の違いはあれど、単純に「インフラの整備度合い」を現状で比較するなら、やはりガソリン車に軍配が上がるでしょう。
EV対ガソリン車Round 3. 「航続距離」なら、ガソリン車が長い!
航続距離、すなわち一回の充電・給油でどれくらいの距離を走れるかですが、これについては、ガソリン車に一日の長があるでしょう。現在の電気自動車の航続距離は、概ね200〜600kmとなっています。これに対してガソリン車の中には、1回の給油で1,000km以上走るものもあります。この航続距離の長さは、上記「EV対ガソリン車その2」で見たインフラの整備度合いと合わせて、ガソリン車の営業車としての信頼性に直結するでしょう。
EV対ガソリン車Round 4. 「走行コストとメンテナンス費」なら、EVが優れている!
EVとガソリン車を比較した場合、走行コストについては、EVの方が低く抑えることができます。またメンテナンス費においても、EVの方が優れています。
ガソリン車は、例えばエンジンだけ取ってみてもオイルやフィルター等の消耗品が多く、定期的に交換費用がかかります。(ガソリン車のエンジンオイル交換については、コラム 「【距離で測る】エンジンオイル交換の目安を知ろう!【色で見る】」 で詳しく取り上げているので参照してみてください)
一方、EVのモーターなら、ガソリン車のエンジンのように多くの消耗品を交換する必要もありません。
このように、運用コストにおいてはEVが秀でているという点は、日々長い距離を走る営業車として考えた場合、特筆すべきといえるでしょう。

EV対ガソリン車Round 5. 「環境貢献度合い」なら、EVの勝利!
このテーマに関しては、EVの方がまさっていることはいうまでもないでしょう。EVは、ガソリン車(あるいはディーゼル車)と異なり、化石燃料を燃やさずに走る仕組みとなっているため、走行時にCO2(二酸化炭素)を一切排出しないからです。

トヨタのEV車 bZ4X
EV対ガソリン車Round 6. 「将来性」なら、やっぱりEVの勝利!
脱炭素化に向けた社会の取り組みは、今後ますます進展するでしょう。そこに企業がどのような貢献をしているか(あるいはしていないか)は、その企業に対する、社会からの視線や評価を大きく左右するはずです。従って、社用車にEVを採用する流れは、今後とどまることはないものと思われます。
営業車は、その企業の「顔」とも言える存在。将来性の観点からEVとガソリン車を比較するなら、やはりEVということになるでしょう。
EV対ガソリン車の結論:営業車として、あなたはどこに着目しますか?
EVとガソリン車、営業車として果たしてどちらが優れているかということを、以上6つの観点から見てきました。現状では、使いやすさの面からガソリン車に一日の長がありますが、しかし「EVが優れている」「ガソリン車が優れている」とどちらかに決めてしまうことは、決して容易ではありません。むしろ、営業車としてのどの側面に注目するかによって、優劣は大きく変わることが見えてきたといえるでしょう。
さて、御社では、営業車に何を求めますか? その時、EVは視野に入ってくるでしょうか?

いかがでしたでしょうか。
社用車の一部をEVに置き換えるといった方法からでも、EV化へのトライは始められます。
購入という選択肢もあれば、カーリースという選択肢もあるでしょう。
社用車のEV化にご興味をお持ちのお客様は、ぜひ、トヨタレンタリース京都にお気軽にご相談ください。