クルマの燃費表示でよく見る「WLTCモード」って何だろう?

クルマ知識

クルマを選ぶとき、気になることの1つが「燃費」ではないでしょうか。カタログやWebサイトでこの燃費について見ていくと、よく「WLTCモード」という言葉に出会います。この言葉、どういう意味か改めて聞かれると、よくわからないという方も多いのではないでしょうか?本コラムではそんなWLTCモードについて、わかりやすく解説していきます。

燃費計

WLTCモードの基本を押さえよう!

WLTCモードとは、Worldwide Harmonized Light Vehicles Test Cycle(世界統一軽自動車試験サイクル)の略。燃費や排出ガスを測定するための、試験方法の一つです。この試験方法は、その名の通り国際的に統一された基準で、世界中のさまざまな走行状況を反映することを目的としています。

以前は国ごとに異なる燃費試験方法が使用されていましたが、WLTCモードの導入により、より現実に近い燃費性能を測定できるようになったと同時に、異なる国のクルマを比較する際にも便利になったのです。

アルファードWLTC

アルファード ハイブリッド車 WLTCモード

WLTCモード以前の燃費試験方法

・JC08モードとは(日本)

JC08モードの単位はkm/Lで、これは、1リットルの燃料でクルマがどれくらいの距離を走れるのかを表しています。日本の都市部での走行を想定した試験方法で、低速域での走行や頻繁な停止・発進を重視していました。

しかし、実際の運転よりもやや理想的な条件下での測定が行われていたため、実燃費との乖離が課題となっていました。「理想的な条件」とは、例えば、風速がゼロに近い無風状態や平坦な路面、一定の速度での運転、空調を使用しない状態などを指します。そのためJC08モードでは、実際の道路での使用条件と比べて、燃費が良好な結果になりやすい傾向にありました。

かつてはよく「カタログ燃費は当てにならない」と言われたものでしたが、それにはこのような理由があったのです。

・NEDCとは(ヨーロッパ)

NEDCの単位はL/100kmで、これは、100km走行するために必要な燃料の量を表しています。市街地と郊外を想定した比較的単純な速度パターンに基づいた試験方法でしたが、高速域での再現性が低く、現代の交通状況にそぐわない部分が指摘されていました。

なぜWLTCモードが登場したの?

WLTCモードが採用された背景には、従来の試験方法の限界と、国際的な統一基準へのニーズがありました。

ガソリンスタンド

・WLTCモードのメリット1:実燃費との乖離の解消

従来の方法では、試験条件が理想的すぎるため、実際の燃費とかけ離れるケースが多くありました。WLTCモードでは、より現実の走行状況を反映した条件が設定されているため、実燃費に近いデータを得ることができます。

・WLTCモードのメリット2:国際比較の容易さ

異なる試験基準を用いると、同じクルマであっても、各国で異なる燃費性能が出てしまいます。WLTCモードは国際的に統一された基準であるため、こうした問題を解決することができます。

・WLTCモードのメリット3:現代の交通状況への対応

従来の試験が想定していた単純な走行パターンでは、現代の複雑な交通環境に対応が難しくなってきていました。WLTCモードでは、「市街地」「郊外」「高速道路」といった状況を考慮することで、この問題を解決しています。

複数の走行状況を組み合わせる、WLTCモードの特徴

WLTCモードは、以下の3つの走行状況を組み合わせた試験サイクルで構成されています。

1. 市街地モード(低速)

低速走行や頻繁な停止・発進を含んでおり、街中での渋滞や信号待ちを想定した走行状況をシミュレーションするものです。

シエンタ

2. 郊外モード(中速)

中速で比較的スムーズな走行を中心とするもので、郊外やバイパス道路での走行を想定したシミュレーションです。

ヤリス

3. 高速モード(高速)

高速域での一定速度走行や加減速を含んでおり、高速道路での走行を想定したシミュレーションです。

クラウン


WLTCモードは、これらを組み合わせて燃費を測定することで、現実の運転状況に近い結果が得られるように設計されています。

WLTCモードの注意点

ここまで述べてきたように、WLTCモードにはさまざまなメリットがあります。しかしWLTCモードも、あくまで試験室内での測定結果であることには違いありません。実際の燃費は、運転の仕方や道路状況、気候などにより異なることがあります。そのため、カタログの燃費は参考にしつつも、自分の使い方に合ったクルマを選ぶことが重要です。


いかがでしたでしょうか。

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