「長距離を運転すると足腰が痛くなる」といった経験はないでしょうか。それはもしかすると、運転距離だけでなく、運転姿勢の問題かもしれません。ベテランドライバーでも、いつの間にか姿勢に悪いクセが付いてしまっているということもありえます。また、正しい運転姿勢をキープしていないと、いざという時の危機回避運動が遅れてしまい、事故につながることにもなりかねません。自分の運転姿勢を見直し、そしてセルフチェックの習慣を身につけることで、日々の運転を、疲れにくく安全なものにしていきたいですね。

正しい運転姿勢に大切な「腰」「腕」「脚」の3項目
クルマを運転するためにカナメとなるポイントは、「腰」「腕」「脚」の3つです。これらがきちっと正しい位置に決まれば、無理なく運転できる体勢が自然に整えられます。下記を参考に「腰」「脚」「腕」をチェックし、その運転姿勢に従ってクルマの各部を調整するようにしてみてください。あなたのための、ベストなドライビングポジションが見つかるはずです。
(A)「腰」の正しいポジションと合わせ方
まずは着座時。シートには深く腰掛けます(この時、浅く腰掛けると腰に負担がかかることになります)。また、背中やお尻とシートとの間に隙間が空いていると、いざという時にブレーキを強く踏み込むことができない(身体が後ろにずれてしまう)ため、注意が必要です。背中から腰までを、ぴったりシートに付けるようにしましょう。「脚」「腕」のポジションとも関わりますが、背もたれは倒しすぎないようにし、高さ調節ができるシートであれば、前方の死角をなくし視野を広くするために、快適な範囲内でなるべく高めに調節します。
(B)「脚」の正しいポジションと合わせ方
シートに深く腰掛けた状態のまま、フットレストに左足を置き、強く踏ん張ったときにひざが確実にまがるように。そして右足でブレーキペダルを強く踏んだときには、足が伸びきらず、膝の関節に少し余裕が残る程度に。この状態が、急ブレーキ時にもっともよく制動力を発揮できるポジションです。また、加速減速時の前後方向の揺れに対しても、腰と左足を使って身体をシートに固定させることができます。この状態を目安に、シートの前後位置を調節しましょう。
(C)「腕」の正しいポジションと合わせ方
肩から腰までをシートに付けた状態で、ハンドルを両手で握り、軽く肘が曲がる状態が適切な距離です。ハンドルを回す操作をしてみて、自然に腕が動くかを確かめましょう。同時に、無理なくシフト操作ができるか、メーター類がちゃんと見えているか、リラックスした姿勢になっているかを確認してください。

ハンドルを握る位置ですが、かつては時計でいう10時10分の位置で保持するのがベストといわれていました。しかし現在ではほとんどのクルマにパワーステアリングが装備されているので、その必要はありません。9時15分くらいの位置で自然に保持しましょう。
シートベルト、ミラー、ヘッドレストの正しい使用方法は?
ここまでで、クルマを走らせるための無理のない姿勢が取れたはずです。無理のない姿勢で運転を行っていれば、あわや交通事故といった緊急時でも、急なハンドル操作や急ブレーキに対応することができるはず。また無理のないドライビングポジションは、もっとも疲れのたまりにくい姿勢でもあるので、運転時の疲労軽減にも役立つでしょう。
さて、つい忘れがちになりますが、ここでヘッドレストの調整も行っておきましょう。いざというときのむち打ち症を防いでくれるという効果があるので、これも軽視することはできません。
こうして無理のないドライビングポジションに身体を落ち着けることができたなら、その状態でバックミラーやサイドミラーを適切に調整し、安全のための最大限の視覚を確保するようにしましょう。
(D) ヘッドレストの正しい調整方法とは?
クルマが追突したり、追突されたりと激しい衝撃に見舞われたとき、頚椎を守り、むち打ち症を軽減する役割を果たしてくれるのがヘッドレストです。
その調整方法ですが、真横から見たときに、自分の耳の後ろの位置にヘッドレストの中心がくるようにします。ヘッドレストを上げたいときは真上に引っ張り、下げたいときは根本のボタンを押しながら下げるようにします。

シートベルトの正しい着用方法とは?
シートベルト側の金具(タングと言います)をバックルに挿入します。この時、カチリと音がするまで確実に差し込みます。それから上半身を支える肩ベルト部分を顔の方に引き寄せながら、たるみをなくしましょう。ベルトは首にかかることのないように、鎖骨の真ん中を通らせます。腰ベルト部分は、骨盤の左右の腰骨をベルトがしっかり押さえられるように調整します。これらの位置調整で、衝撃を受けた際、首や腹部に負荷が集中するのを避けられます。最後にベルトにゆるみやねじれがないように、体にぴったりと密着させます。
各種ミラーの正しい合わせ方とは?
ルームミラーは、ミラーに直接触らないように枠を持って調整します。ミラーの中心とリアウィンドウの中心が合うように動かしますが、助手席側サイドミラーの死角をなくすため、ほんの少しだけ左側に向けると良いでしょう。サイドミラーも上下に調整できることは忘れられがちですが、空が1/2、地面が1/2ずつ映り込むように上下角を調整しましょう。左右方向は、ミラーの内側に車体の1/4が映っていることを基準とします。ミラー類は、どれだけ厳密に調整しても死角をなくすことはできません。運転時には、必要に応じて目視で確認することも忘れないようにしてください。

以上で、運転による疲労を軽減し、緊急時にもとっさのブレーキングやハンドリングを可能とする、適切なドライビングポジションが整いました。安全に気をつけて、どうぞ行ってらっしゃいませ。
いかがでしたでしょうか。
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