ブレーキの使用が完全にドライバーの腕頼み(いえ、脚頼み?)だったのも、今は昔のこと。現在では、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の技術的進展が著しく、また、自動ブレーキ義務化の動きも進んでいます。以下では、自動ブレーキ義務化の流れをおさらいし、トヨタの自動ブレーキ技術である「Toyota Safety Sense」についてご紹介します。

自動ブレーキの義務化とは?また、その進捗状況は
自動ブレーキの義務化は、国際的な合意をもとにスタートしました。2019年2月12日、日本や欧州連合(EU)などを含む40カ国・地域で「衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)」の導入を義務付ける規則の原案に合意したのが、その発端です。
日本国内においては、2021年11月より、国産車のうちフルモデルチェンジとなる新型車(軽自動車も含む)に対して、自動ブレーキの搭載義務化がスタート。以降の義務化スケジュールは次のようになっています。
・2024年7月〜:輸入車のうち新型車
・2025年12月〜:国産車の継続生産車(軽トラックを除く)
・2026年7月〜:輸入車の継続生産車
・2027年9月〜:国産車(軽トラック)の継続生産車
自動ブレーキの正式名称とその機能
言葉の定義等についても振り返っておきましょう。一般的に「自動ブレーキ」と呼ばれているものは、国土交通省では、あくまで運転者をサポートするものという意味で「衝突被害軽減ブレーキ」(AEBS:Advanced Emergency Braking System)を正式名称としています。
自動ブレーキはカメラやレーダー等と連携しており、それらが前方の自動車や歩行者を常に検知。追突の危険性が高まった時点で、音や警告灯などでドライバーに警告します。それでもブレーキ操作がない場合、システムの判断によって自動的にブレーキが作動し、被害の軽減を図るというものです。
Toyota Safety Sense「プリクラッシュセーフティ」とは
トヨタでは、さまざまな機能を統合した衝突回避支援パッケージとして「Toyota Safety Sense(トヨタ セーフティセンス)」を開発・展開。このうち、いわゆる自動ブレーキに対応するテクノロジーを「プリクラッシュセーフティ」として提供しています。以下では、プリクラッシュセーフティの一例と、その搭載車種についてご紹介します。

「プリクラッシュセーフティ 歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼夜]・自動二輪車[昼]」においては、前方の車両や歩行者(昼夜)、自転車運転者(昼夜)、自動二輪車(昼)をミリ波レーダーと単眼カメラで検出。警報ブザーとマルチインフォメーションディスプレイ表示で衝突の可能性を知らせ、ブレーキを踏めた場合はプリクラッシュブレーキアシスト。ブレーキを踏めなかった場合はプリクラッシュブレーキを作動させ、衝突回避または被害軽減をサポートします。
プリクラッシュブレーキは歩行者や自転車運転者に対しては自車が約5〜80km/hの速度域で作動し、衝突回避または被害軽減をサポートします。また、車両や自動二輪車に対しては自車が約5km/h以上で作動し、衝突回避または被害軽減をサポートします。

昼間、自転車が車道を横断したときも検知

昼間はもちろん、夜間の歩行者も検知
「交差点」右折時の対向直進車・右左折時の対向方向から来る横断歩行者・自転車運転者検知機能も装備
ブザーと表示で衝突の可能性を知らせると同時に、プリクラッシュブレーキを作動。衝突回避または被害軽減をサポートします。
※交差点の形状によっては正しく支援できない場合があります。
※プリクラッシュブレーキアシストは作動しません。

自車右折時、直進してくる対向車を検知。

自車右左折時、対向方向から横断してきた歩行者や自転車運転者も検知。
「交差点」出会頭時の車両・自動二輪車検知機能も装備
交差点に進入する際、交差する車両や自動二輪車をミリ波レーダーと単眼カメラで検出。ブザーと表示で衝突の可能性を知らせると同時に、プリクラッシュブレーキを作動。衝突回避または被害軽減をサポートします。
※交差点の形状によっては正しく支援できない場合があります。
※プリクラッシュブレーキアシストは作動しません。
この他、「プリクラッシュセーフティ 歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼夜]・自動二輪車[昼]」では、「緊急時操舵支援機能」や「低速時加速抑制機能」も備えています。本機能の搭載車種は、ご覧の車種となっています(2024年5月現在)。

ただし、自動ブレーキといえども過信は禁物
このように、搭載の義務化、技術の進展が続いている自動ブレーキですが、あらゆる場面で万能というわけではありません。作動条件は車種によって違いますし、例えば「夜間や雨天の場合」「窓の汚れがある場合」「ダッシュボード上に置かれたものが反射している場合」「検出装置の前に遮蔽物がある場合」等々、自動ブレーキが作動しにくい状況も明らかとなっています。自動ブレーキはあくまで支援機能であり、運転の主体はやはりドライバーであることを認識すべきでしょう。自動ブレーキ搭載車種においても、これまで以上に安全運転を心がけたいものです。
ともあれ、いざというときに自分を、そして相手の身を守ってくれるテクノロジーについて知っておくのは大切なことですね。また、どのようなシチュエーションで自動ブレーキが作動するのかを知ることは、そのまま、運転における危険なシチュエーションを再確認することにもつながるのではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか。
トヨタレンタリース京都では、京都府下の法人様、または個人営業主の皆様に役立つサービスの提供と、情報の発信に努めています。
クルマに関するお困りごとやご相談は、トヨタレンタリース京都に、どうぞお気軽にお寄せください。